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【DFT】ωB97X-D汎関数の数理と歴史:長距離補正と分散力補正の完全統合による非共有結合系の記述
2008年にJeng-Da ChaiとMartin Head-Gordonによって提案されたωB97X-D汎関数について解説する。密度汎関数法(DFT)における二つの主要な欠点、すなわち「自己相互作用誤差」と「分散力の欠如」を、長距離補正(Range-Separated Hybrid)と経験的分散力補正(DFT-D)の同時適用によっていかに克服したか。その数理的定式化、減衰関数の設計、パラメータ再最適化のプロセス、およびファンデルワールス錯体や熱化学における実利的な成果について、学術的な観点から詳細に深掘りする。
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20 minutes
【DFT】ωB97X-V汎関数の数理と歴史:非局所相関汎関数VV10による分散力の物理的記述と「適者生存」戦略による最適化
2014年にNarbe MardirossianとMartin Head-Gordonによって提案されたωB97X-V汎関数について解説する。従来の経験的分散力補正(DFT-D)とは一線を画す、電子密度に直接依存する非局所相関汎関数(VV10)を導入した数理的背景(Vの意味)を詳細に紐解く。また、BeckeのB97形式におけるパラメータ空間を網羅的に探索する「適者生存(Survival of the Fittest)」戦略による最適化手法、長距離補正ハイブリッドとしての設計、および熱化学・非共有結合相互作用における実利的な成果について、原著論文に基づき学術的観点から深掘りする。
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21 minutes
【DFT】X3LYP汎関数の数理と歴史:ガウス型基底関数の物理的実態に基づく交換汎関数の再構築と非共有結合系の記述
2004年にXin XuとWilliam A. Goddard IIIによって提案されたX3LYP(Extended Hybrid Functional combined with Lee-Yang-Parr)について、その理論的背景と成果を詳細に解説する。量子化学計算のデファクトスタンダードであったB3LYPが抱える「非共有結合相互作用(ファンデルワールス力)の記述不全」という課題に対し、計算機上で用いられる「ガウス型基底関数」の漸近挙動に着目した数理的補正がいかになされたか。B88交換とPW91交換の線形結合によるX汎関数の厳密な導出過程、パラメータ決定の論理、および希ガス二量体や水素結合系、遷移金属のスピン状態における実利的な改善効果について、原著論文に基づき学術的観点から深掘りする。
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21 minutes
【DFT】PW91相関汎関数の全貌:局所極限の高精度化から実空間カットオフによるGGAの構築まで
一般化勾配近似(GGA)の黎明期における金字塔、PW91(Perdew-Wang 91)相関汎関数について、その基礎となるPW92局所相関汎関数の導出過程(Ceperley-Alderデータの解析的表現)、勾配展開近似(GEA)の破綻と実空間カットオフ法による修復、そして現代DFTへの影響を、原著論文に基づき徹底的に解説する。
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23 minutes
【DFT】LYP相関汎関数の数理と起源:Colle-Salvetti公式の密度汎関数化とその物理的帰結
B3LYPなどの構成要素として広く利用されているLYP(Lee-Yang-Parr)相関汎関数について、その基礎となるColle-Salvetti公式の導出、波動関数理論から密度汎関数理論への変換過程で用いられた勾配展開近似、およびパラメータ決定の背景について、原著論文に基づき徹底的に解説する。均一電子ガスモデルに依存しないこの汎関数が、なぜ分子系において高い精度を発揮するのか、その物理的理由を考察する。
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16 minutes
【DFT】P86相関汎関数の理論構成:RPAを超えた相関の記述と交換・相関分離の確立
一般化勾配近似(GGA)の初期における重要なマイルストーン、P86(Perdew 86)相関汎関数について解説する。Langreth-Mehl汎関数の欠陥であった交換と相関の分離問題を解決し、波数空間でのカットオフ手法を用いて勾配展開の発散を抑制する理論的枠組みを、原著論文に基づき詳細に紐解く。
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17 minutes
【DFT】PBE相関汎関数の理論構成:GEAの回復と急速変動限界への滑らかな補間
PBE交換汎関数と対をなすPBE相関汎関数について、その設計思想である「局所密度近似(LDA)の過剰相関の補正」と「勾配展開近似(GEA)の発散の抑制」を、どのようにしてパラメータフリー(物理定数のみ)で実現したか、原著論文に基づき数理的に解説する。
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14 minutes
【DFT】一般化勾配近似(GGA)を使用した汎関数:Becke 88 交換汎関数の理論的導出と漸近挙動
現代の密度汎関数法において使用される交換汎関数の一つであるB88(Becke 88)について、局所密度近似(LDA)の限界、勾配展開の失敗、そしてBeckeによる漸近挙動の補正と半経験的パラメータ決定のプロセスを、原著論文に基づき解説する。
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16 minutes
【DFT】G96交換汎関数の哲学と数理:オッカムの剃刀が断ち切った「漸近挙動」の呪縛
1996年にP. M. W. Gillによって提案されたG96交換汎関数について、その設計思想である「単純性(Simplicity)」と、Becke 88が重視した「正しい漸近挙動」をあえて放棄するに至った理論的背景を解説する。オッカムの剃刀を引用し、物理的厳密性と実用的精度の乖離を指摘したこの汎関数は、現代DFTにおけるパラメータ設計の在り方に一石を投じた。
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19 minutes
【DFT】OPTX交換汎関数の理論的構成:交換と静的相関の有効的統合に関する考察
2001年にHandyとCohenによって提案されたOPTX(Optimized Exchange)汎関数について、その設計指針である「DFTにおける交換エネルギーと静的相関の非分離性」および、均一電子ガス極限の拘束を緩和したパラメータ決定手法について、原著論文に基づき解説する。また、LYP相関汎関数と組み合わせたOLYPの熱化学的精度および結合解離挙動についても論じる。
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11 minutes
【DFT】PBE交換汎関数の物理的導出と「単純化」の美学:第一原理的GGAの到達点
現代の密度汎関数法において最も広く利用される汎関数の一つであるPBE(Perdew-Burke-Ernzerhof)について、その交換項がどのようにして物理的定数のみから決定されたか、PW91の複雑さを排除しつつLieb-Oxford境界条件や線形応答理論を満たすよう設計された理論的背景を、原著論文に基づき徹底解説する。
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17 minutes
【DFT】第一原理的GGA:PW91交換汎関数の理論構成と物理的意義
半経験的パラメータを排し、交換正孔の物理的性質(総和則や非正値性)を満たすように設計されたPW91(Perdew-Wang 91)交換汎関数について、その導出の基礎となる実空間カットオフの手法、基礎となる局所相関の記述、およびPBEへの発展過程を詳細に解説する。
2727 words
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14 minutes
【DFT】revPBE交換汎関数の理論と物理:Lieb-Oxford境界条件の再解釈による化学的精度の向上
1998年にYingkai ZhangとWeitao Yangによって提案されたrevPBE(Revised PBE)交換汎関数について解説する。PBE汎関数が課していた「局所的なLieb-Oxford境界条件」を「積分形の境界条件」へと緩和することで、物理的厳密性を保ちつつ原子化エネルギーや吸着エネルギーの予測精度を劇的に改善した理論的背景を、原著論文に基づき詳細に紐解く。
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15 minutes
【DFT基礎】コーン・シャム方程式の解説と純粋な密度汎関数の数理構造
密度汎関数法の基礎であるコーン・シャム方程式の解説から、LDAおよびGGAにおける交換・相関汎関数の具体的な数式定義までを、原著論文に基づき包括的に解説する。
4756 words
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24 minutes
【DFT】局所相関汎関数 PL (Perdew-Zunger 1981) の数理的構成と物理的背景
局所密度近似(LDA)における重要な相関汎関数の一つであるPL(Perdew Local)について、PerdewとZungerによる1981年の原著論文に基づき、Ceperley-Alderの量子モンテカルロデータへのフィッティング手法、数式定義、およびスピン補間の理論的枠組みを詳細に解説する。
2602 words
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13 minutes
【DFT】局所相関汎関数の標準:VWNとVWN5の定義と物理的背景
局所密度近似(LDA/LSDA)における相関汎関数であるVWN(Vosko-Wilk-Nusair)法について、その導出過程、数理構造、およびVWN(III)とVWN5の決定的な違いを原著論文に基づき解説する。
2583 words
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13 minutes