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【Logic】逸話的証拠の解説
最終更新:2026-01-15
概要
逸話的証拠(いつわてきしょうこ、Anecdotal Evidence)は、広範囲な統計データや厳密な検証結果の代わりに、個人的な体験談や、特定の知人のエピソードなど、個別的で孤立した事例(逸話)を根拠にして一般的な結論を導き出す誤謬である。
私の知り合いのAさんは、XをしてYという結果になった。 ∴ XはYを引き起こす有効な手段である。
人間は統計的な数字よりも、具体的で感情に訴えかける「物語」を信じやすい傾向(ストーリーテリング・バイアス)があるため、この誤謬は非常に強力な説得力を持ってしまう。
例と不適切な理由
例1:教育方法や育児
「うちの子は、この学習塾に通わせたら成績が急激に上がった。だから、この塾のカリキュラムはすべての子どもにとって最高の内容だと言える。」
- 不適切な理由:その子ども固有の適性や、同時期に本人が自発的に勉強を始めた可能性など、他の要因を無視している。1つの成功例(N=1)は、母集団全体への適用を保証しない。
例2:ソフトウェアの品質
「私が昨日このアプリを触った時は、一度もクラッシュしなかった。だから、このアプリにはバグがないと断言できる。」
- 不適切な理由:特定のデバイスや操作手順(ハッピーパス)のみを経験したに過ぎず、異なる環境下で発生するバグの存在を否定する根拠にはならない。
対処法
- サンプルサイズの確認:その主張が、どれほどの数と範囲のデータを基にしているかを確認する。
- 「N=1」の限界を知る:体験談は「可能性の示唆」としては価値があるが、「証明」としては不十分であることを認識する。
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