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【Logic】チェリー・ピッキングの解説
最終更新:2026-01-15
概要
チェリー・ピッキング(Cherry Picking)は、自説を支持する少数の事例やデータのみを選択的に抽出し、それと矛盾する膨大な証拠を無視または隠蔽することで、特定の結論を正当化する誤謬である。
例と不適切な理由
例1:シミュレーション結果の提示
「複数種のLJ粒子を用いた計算において、エネルギー保存が良好であった特定の数ステップのデータのみを論文に掲載し、ドリフトが激しい大部分の期間を『調整中』として除外した」。
不適切な理由:一部の良好なデータ(生存者)のみを提示することは、システムの真の動態を隠蔽する行為であり、再現性を著しく損なう。
例2:サプリメントの効果
「100人に対して実験を行い、効果があった5人の声だけを広告に掲載し、残りの95人に変化がなかった事実を記載しない」。
不適切な理由:分母となる全体像を提示しない選択的抽出は、統計的有意性を偽装する行為である。
対処法
- 全データの公開(オープンサイエンス):ネガティブな結果も含め、すべての試行結果を報告する。
- 外部評価の導入:第三者による査読や検証を通じ、データ選別に偏りがないか確認する。
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