最終更新:2026-01-15
概要
ギャンブラーの誤謬(ギャンブラーのごびゅう、Gambler’s Fallacy)は、過去の事象が、それと独立した将来の事象の確率に影響を与えると誤って考える誤謬である。
コイン投げで5回連続「表」が出た。 ∴ 次は「裏」が出る確率が高いはずだ。
コイン投げやルーレットのような独立試行において、前の結果が次の結果に影響することはない(確率は常に1/2や一定)。しかし、人間は「バランスが取れるはずだ」という直感を抱きやすい。
例と間違っている理由
例1:パチンコ・スロット
「この台はもう3時間も大当たりが出ていない(ハマっている)。確率的にそろそろ爆発するはずだ。」
間違っている理由:完全確率方式の機械であれば、過去にどれだけ外れ続けたとしても、次の1回転で当たる確率は常に一定(例:1/319)である。「溜まった運」のようなものは存在しない。
例2:男女の産み分け
「うちは4人連続で女の子が生まれた。次こそは男の子が生まれる確率が高い。」
間違っている理由:生物学的な微細な偏りを除けば、各妊娠における性別の確率はほぼ50%で独立している。過去の4人が現在のお腹の子の性別を決定することはない。
例3:株価の変動
「5日連続で株価が下がった。反動で明日は上がるに違いない。」
間違っている理由:相場にはトレンドや市場心理が働くため完全な独立試行ではないが、「下がったから上がる」という単純な平均回帰を根拠なしに信じるのは危険である。さらに下落トレンドが続く可能性も十分にある。
対処法
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独立試行であることを確認する 「前の結果が次の結果に物理的な影響を与えるか?」を考える。トランプ(カードが減る)は従属試行だが、サイコロやコインは独立試行である。
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「大数の法則」を正しく理解する 試行回数を無限に増やせば確率は収束するが、たかだか数回~数十回の短期スパンでは偏りは補正されない。
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「流れ」というオカルトを捨てる 確率の世界に「流れ」や「波」という概念を持ち込むのは、脳が作り出した錯覚(パターン認識)であると自覚する。