最終更新:2026-01-15
概要
埋没費用の誤謬(まいぼつひようのごびゅう、Sunk Cost Fallacy)は、すでに投じてしまって回収不可能なコスト(時間、金、労力)に執着し、将来の損失が予想されるにもかかわらず、非合理的な行動(継続)を選択してしまう誤りである。「コンコルド効果」とも呼ばれる。
ここまでXを投資した。 今やめるとXが無駄になる。 ∴ たとえ損が拡大しても続けるべきだ。
合理的な意思決定においては、過去のコスト(サンクコスト)は無視し、「これからどうなるか」という未来の損得のみを考慮すべきである。
例と間違っている理由
例1:研究テーマの継続
「この仮説、半年実験しても全く支持するデータが出ないな……。でも半年も費やしたんだから、今さらテーマ変更なんてできない。意地でも結果が出るまでやるぞ。」
間違っている理由:半年という時間は戻ってこない。重要なのは「これからさらに時間を費やして成果が出る見込みがあるか」である。見込みが薄いなら、即座に撤退して新しいテーマに移るのが最も合理的である。
例2:つまらない映画
「映画館で2000円払ったけど、開始30分で死ぬほどつまらない。でも出たら2000円がもったいないから最後まで観よう。」
間違っている理由:2000円はすでに失われている。最後まで観て「さらなる時間(苦痛な2時間)」を失う方が、トータルの損失は大きい。
例3:システムの改修
「このレガシーシステム、もう継ぎ接ぎだらけで限界です。作り直しましょう。」 「馬鹿言え、このシステムには過去10年で数億円投資してるんだ。これを捨てるなんてありえない。」
間違っている理由:過去の数億円は戻らない。維持費が高騰し続ける古いシステムを使い続ける「未来のコスト」と、新規開発のコストを比較すべきである。
対処法
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「今からゼロベースで始めるとしたら?」と問う もし今日、何のしがらみもなくスタートするとして、同じ選択(その研究、そのシステム)をするか考える。答えがNOならやめるべき。
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サンクコストを「勉強代」と割り切る 過去の投資は「失敗する方法を学んだ費用」として処理し、損切りする勇気を持つ。
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撤退基準(損切りライン)を事前に決める 「いつまでに成果が出なければやめる」というルールを、感情が入る前に設定しておく。