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【Management】コブラ効果の解説
最終更新:2026-01-23
概要
コブラ効果(コブラこうか、Cobra Effect)は、ペルバース・インセンティブ(ねじれ効果)の一種であり、問題解決のために導入された対策が、人々の行動を変化させ、結果としてその問題を悪化させてしまう現象である。システム思考におけるフィードバック・ループの誤設計として扱われる。
例と発生機序
例1:コブラの駆除(原典)
英国統治下のインドで、コブラの被害を減らすために「死んだコブラを持ち込めば報奨金を与える」という制度を作った。その結果、人々は報奨金目当てに自宅でコブラを飼育・繁殖させ始めた。政府がこれに気づいて制度を廃止すると、飼育されていた大量のコブラが野に放たれ、被害は以前より拡大した。
例2:バグの報奨金
ソフトウェア会社がテスターに対し「バグを1つ見つけるごとにボーナスを支払う」という契約を結んだ。その結果、テスターと開発者が結託し、意図的に簡単なバグを埋め込んでから発見・修正するというマッチポンプが発生し、製品品質は向上しなかった。
発生機序:
- グッドハートの法則:ある指標(コブラの死骸数、バグの数)が目標になると、それは良い指標ではなくなる。
- 一次的思考の限界:政策立案者が「AすればBになる」という直接的な効果しか予測せず、エージェント(人間)がインセンティブに対してどう適応するかという二次的影響を考慮しないため。
対処法
- システム・ダイナミクス的思考:対策を導入した場合、対象者がどのようにルールの抜け穴を利用するかをシミュレーションする。
- 成果ではなくプロセスの評価:定量的な単一指標だけでなく、定性的な健全性を併せて評価する。
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