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【Management】パーキンソンの凡俗法則の解説
最終更新:2026-01-23
概要
パーキンソンの凡俗法則(パーキンソンのぼんぞくほうそく、Parkinson’s Law of Triviality)は、別名「自転車置き場の議論(Bike-shedding)」とも呼ばれ、組織が原子力発電所の建設のような複雑かつ重要な議題については短時間で承認する一方で、自転車置き場の屋根の色のような、誰もが理解でき、意見を言いやすい些末な議題について不釣合いなほどの長時間を費やす現象である。
例と発生機序
例1:原子力発電所と自転車置き場(原典の例)
- 議題A(重要):100億円規模の原子力発電所の建設承認。技術的に複雑すぎて大半の役員は理解できないため、「専門家が精査したのだろう」と数分で承認される。
- 議題B(些末):職員用自転車置き場の屋根の素材(トタンかアルミか、費用は数万円)。全員が自転車置き場をイメージでき、自分の好みを語れるため、1時間以上の議論が紛糾する。
例2:決算予算とコーヒーマシン
- 議題A(重要):来期のマーケティング予算配分(数千万円)。ROIの計算モデルが難解であるため、担当役員のプレゼンに対して誰も詳細な質問ができず、そのまま通過する。
- 議題B(些末):オフィスに導入するコーヒーメーカーの機種選定(数万円)。「カプセル式はコストが高い」「味はドリップが良い」など、全員が個人の嗜好に基づいて意見を出し合い、会議時間が浪費される。
例3:システムアーキテクチャとロゴの色
- 議題A(重要):基幹システムのマイクロサービス化への移行(開発期間2年)。リスクやメリットの評価には高度な技術的知識が必要なため、CTOの提案に異論が出ない。
- 議題B(些末):アプリアイコンの背景色。「もっと鮮やかな青がいい」「目に優しい緑にすべき」といった主観的な美学に基づく指摘が相次ぎ、結論が出ないまま持ち越しとなる。
発生機序:
- 認知コストの回避:複雑な問題を理解・評価するには高いエネルギーが必要だが、単純な問題は即座に理解できる。
- 貢献欲求の充足:些末な問題であっても、発言することで「会議に参加した」「仕事をした」という満足感を得ようとする心理が働く。
対処法
- アジェンダの時間配分:議題の重要度と難易度に基づいて、あらかじめ議論時間を厳格に制限する。
- 意思決定者の限定:些末な決定事項(ボタンの色、備品の選定など)については、会議で議論せず、担当者に全権を委任する。
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