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【Logic】生存者バイアスの解説

最終更新:2026-01-23

概要#

生存者バイアス(せいぞんしゃバイアス、Survivorship Bias)は、何らかの選択プロセスを通過して「生き残った」対象のみを分析し、途中で脱落した「失敗事例」を考慮に入れないことで生じる判断の誤りである。統計学やリスク管理において致命的な欠陥となる。


例と発生機序#

例1:帰還した戦闘機の弾痕(古典的例)#

戦場から帰還した戦闘機の翼や胴体に多くの弾痕があったため、軍は「弾痕が多い箇所を補強すべきだ」と判断しようとした。しかし、統計学者アブラハム・ウォールドは「弾痕がない箇所(エンジンやコックピット)こそ補強すべきだ」と指摘した。帰還できた機体は「そこを撃たれても大丈夫だった」のであり、撃墜された機体(データとして観測できない生存者以外)は、その致命的な箇所を撃たれていたからである。

例2:成功者の法則#

「大学を中退して起業した成功者(ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ)」の事例だけを見て、「大学教育は不要だ」「中退すれば成功できる」と推論する。実際には、大学を中退して失敗した圧倒的多数の事例が視界に入っていない。

発生機序

  • データの視認性:失敗事例(死者、倒産企業、不採用者)はデータとして表に出てこないことが多いため、入手可能なデータセットが「成功事例」に偏っていることに気づかない。

対処法#

  1. 脱落データの探索:「今ここに見えていないデータ(沈黙の証拠)」は何かを常に問いかける。
  2. 分母の確認:成功率を計算する際、成功した数(分子)だけでなく、挑戦して失敗した総数(分母)を正確に把握する。
【Logic】生存者バイアスの解説
https://ss0832.github.io/posts/20260123_survivorshipbias/
Author
ss0832
Published at
2026-01-23
License
CC BY-NC-SA 4.0